最近、自分はどうして歌い続けているのか?ということを
ふと考えてしまう時があります。
そんな時は幼い頃からの記憶をあれこれたどりながら
考えてみるわけです。
何かを伝えたかったから?
自分を見て欲しかったから?
歌手に憧れていたから?
例えば、このような3つをあげてみましたが、
どれも当てはまるといえば当てはまるのです。
しかし、そんな動機の前にもっともっと深いところに
何かあると思った時、
ふと頭の中に浮かぶキーワードは「現実逃避」なのです。
私は特に最近、歌はストーリーではないか?と思います。
つまり歌う人のことを、歌手というより女優と言った方が私の場合はしっくり来るのです。
歌というストーリーの中にいる時は、現実ではない空間にいると感じます。
さっきまでの目の前の景色が歌い出すとこで全く違うものになってしまうのです。
そして、なるべく今ある現実とは違ったストーリーの歌を歌いたいと思ってしまいます。
悲しい時は楽しい歌を、楽しい時は悲しい歌を…そう思うのが私なのです。
だからオリジナル曲を作る時も、実は現実とは真逆のことを歌っていることが多いです。
その瞬間の思いを歌っているのか?といえば、
そうではない場合が多いです。
リアリティがありすぎると、歌うのが重たくなってくるんです。
それはきっと、原点に帰ってみると、私は幼い頃、現実逃避として歌を歌っていたからじゃないかなと思います。
また、幸せな時も不幸せな時もなにかしら現状に疑問を持っていることが多いです。
ですから、最近YouTubeにアップしているデモソング「指きりの恋」は言ってみれば、失恋ソングなのですが…
今の現実での私といえば、結婚生活も安定していますし、とても幸せにやっています。
けれども、幸せだからこそ失恋に憧れる?幸せだからこそ悲しくなりたい?
そんな風に思ってしまうわけでそれによって私はバランスを保っているのであります。
♪指きりなんて しなけりゃよかった さよなら言わずに すんだかもしれないから…
なんて歌っているわけですが、指きりってことは約束をしたってことですから婚約とも捉えられますよね。
結婚して数年しか経っていない私がこんな歌を作るなんて、普通に考えると、おかしな話です。
でも、それが私の歌い方であり、私の歌なのだと思います。
【ライター】カナリヤ響子
2003年7月よりwebをメインに活動するインディーズアーティスト、シンガーソングライター。
オリジナル、カバー、コラボ、ユニットソングなど
itunesStore、AmazonMp3等にて配信中。